2020年1月から、パスポートなどの公文書では日本人の名前の英語(ローマ字)表記の順番が正式に変わることが決まりました。
そこで、2020年以降の日本人の名前の正しい英語(ローマ字)の書き方について解説します!
日本人の名前の英語表記の正しい順番は「姓-名」に!
政府は、パスポートなどの公文書に日本人の氏名を英語(ローマ字)表記する際、「名-姓」の順ではなく、日本語表記と同様に「姓-名」順番に統一することを公表しました。
民間にも「姓-名」順にするよう働きかけていくとのことでしたので、2020年1月以降順次、名刺、英語の契約書の署名やクレジットカードの表記も「姓ー名」に変わっていくと思います。
ただ、学校の英語の教科書に関しては、すでに1993年から一貫して「姓-名」に変更されていましたので、20代や30代前半の人たちは抵抗なく対応していけそうですね。
名前の英語表記の順番
日本語名 | 2019年まで | 2020年以降 |
安倍 晋三 | Shinzo Abe | Abe Shinzo |
姓名を区別する必要があるときは「姓」を大文字で書く!
萩生田光一文部科学大臣は、姓・名を区別する必要がある場合は姓を大文字にすることについても明らかにしています。
これまで名前の英語表記において、姓名の区別をするときは、「姓」を「名」より先に書いた場合、コンマで区切るというものでしたが、2020年以降は、姓を大文字で書くという方針で統一されたようです。
名前の英語表記の姓名の区別
日本語名 | 2019年まで | 2020年以降 |
安倍 晋三 | Abe, Shinzo | ABE Shinzo |
ただ、注意が必要なのは、「ABE Shinzo」という書き方は、パスポートなどの日本の公文書における正式な表記というだけにすぎません。
なので、「Abe, Shinzo」という書き方は、英語を公用語としている外国では普通に使われている表記なので、契約書などでは今後も使われる可能性は大いにあり得ます。
英語名の書き方
名前 | 通常表記(名ー姓) | 姓を先に書く表記(姓ー名) |
ドナルド・トランプ | Donald Trump | Trump, Donald |
姓と名をコンマで区切ることで、姓が先に書かれていることを表しています。
なぜ今?「姓-名」にする理由は?
実は、名前の英語表記を「姓ー名」にしようという動きは、2000年からすでにありました。
当時の文部科学省の諮問機関である国語審議会が「言語や文化の多様性を意識し、生かしていくべき。日本人の名前のローマ字表記も『姓-名』の順が望ましい」と主張しましたが、そのときは浸透しませんでした。
理由1:欧化政策と敗戦国
日本は、明治時代に「ヨーロッパに追いつけ追い超せ!」と欧化政策をやってきた中で、名前の書き方も欧米式にするべきということで「名ー姓」の順番にするようになっという歴史的背景があります。
また、日本は敗戦国だったこともあり、戦後、英語教育を学校教育に取り入れる際、「郷に入っては郷に従え」の精神で、ネイティブが実際に使っている名前表記に倣ったことも大きかったと思います。
欧米人が英語で名前を「姓ー名」の順番で表記していたため、日本人も英語で名前を表記するときは、「名ー姓」ではなく、「姓ー名」としたわけです。
これって、とても合理的ですよね。
だって、初対面の人だった場合、こちらが日本人であることを知らなければ、自己紹介をしたときに「I am Abe」と言われたら、「Abe」は「名」だと普通は思いますよね。
だって、英語の名前のルール(慣行)がそうなっているわけですから。
だから、「名ー姓」の順番で表記する英語のルールに従って、「I am Shinzo」と言った方がコミュニケーションとしてはとってもスムーズですよね。
理由2:中国と韓国
一方、同じアジア圏で、日本人と同じように名前を「姓ー名」の順番で表記する中国と韓国では、英語で名前を表記する際であっても、「姓ー名」の順番で表記します。
中国の習近平主席の場合は、Xi(姓)Jinping(名)、韓国の文在寅大統領の場合は、Moon(姓)Jae-in(名)と表記するわけです。
なので、日本人も同じように、英語でも「姓-名」の順番で表記しよう!ということです。
でも、これってマミー的にはかなり残念です。
だって、英語を使っているのに、英語のルール(慣行)に従わないで自国のルール(慣行)を押し通すのって、少し傲慢なんじゃないかなぁーーと、中国や韓国に対して思っていたので、日本も同じようになってしまうのかと思うと残念です。
英語を使っているときに、自国のルールを押し通すのがなぜ傲慢か???
仮に、英語で話している相手の外国人がこちらが日本人だと知っていたとしても、その外国人が日本の名前が「姓ー名」の順番で表記されるという日本の慣行や文化を知っているとは限りませんよね?
それにも関わらず、英語での名前表記について日本語のルールを押し通すのは、なんだか暗に「日本の名前が『姓ー名』の順番なのは今やグローバルスタンダードよ!」と言っているようなものだと思ってしまうのです。
コミュニケーションのツールとして英語を使うのであれば、英語のルールに従う方が合理的で親切だと思うのです。
とはいうものの、、、
すでに中国と韓国では、英語を使っているときでも「姓ー名」で押し通してきたこともあり、かなりグローバルスタンダードになっているわけです。
外国人から見たら中国人、韓国人と日本人の見分けなんかつかないだろーから、ここは中国や韓国と統一して、英語でも名前は「姓ー名」として上げた方が、英語圏の外国人には親切なのかなぁーとも思うマミーでした。
とりあえず、「姓ー名」(ABE Shinzo)が定着するまではちょっと混乱しそうですね。