英語のメールで担当者が不明の場合に、「担当者様」と宛先をするときの英語表現や、「担当者を教えてください」の英語での言い方をご紹介します。
宛先不明なときの「担当者様」を英語で
使うのはこれ!
To Whom It May Concern
(トゥ フーム イット メイ コンサーン)
Dear Sir or Madam
(ディア サー オア マダム)
Dear+担当部署名
担当者が分からないときの英語メールやレターの宛先の定番は「To Whom It May Concern」(トゥ フーム イット メイ コンサーン)(※太字のところにアクセントがきます)や「Dear Sir or Madam」(ディア サー オア マダム)を使うのが一般的です。
「concern」(コンサーン)は、「~に関係する」という意味の他動詞です。
「To Whom It May Concern」は、「関係各位」という意味ですが、直訳すると、「それが(It)(※メールや手紙のことを指している代名詞です)」「関係する可能性のある(may concern)」「人へ(to whom)」という意味になります。
聞き慣れない人にはちょっと不自然な英語に聞こえるかもしれません。
というのも、「Whom」は、関係代名詞の目的格ですが、先行詞が省略されているからです。
「To Whom It May Concern」を関係代名詞を使わない二つの文章にわけると次のようになります。
- To the person
- It may concern the person
「To Whom It May Concern」は、本来「To the person whom it may concern」となります。
英語では、文脈から明らかな先行詞は省略されることがよくありますが、「To Whom It May Concern」も、「人」を指していることが明らかなため、先行詞「the person」が省略されています。
「To Whom It May Concern」は、宛先として書くときは、すべての語の先頭を大文字にして使うのが一般的です。
「Dear Sir or Madam」の「Sir」(サー)は、「Yes, sir!」(イェス サー)でおなじみですが、男性に対する呼びかけに使う表現です。
男性宛のメールや手紙のときには、「~(人)へ」というメールや手紙の書き出しで使われる「親愛なる」という意味の形容詞「Dear」(ディア)を前につけて「Dear Sir」といいます。
「Madam」(マダム)は、女性に対する呼びかけにつかう表現です。女性宛のメールや手紙の書き出しは、「Dear Madam」となります。
担当者が不明のときに、宛先を一般的な「男性」と「女性」にした表現が「Dear Sir or Madam」になります。
英語のメールやレターの宛名のあとには「カンマ(,)」をつけるのを忘れないようにします。
例
Dear Sir or Madam,
ご担当者様
To Whom It May Concern,
ご担当者様
Dear Mr. Yamada,
山田様
「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」はいつでも使えるワケじゃない?
宛先が不明なときに、いつでも「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」が使えるかというと、実は、違います。
英語のメールやレターの宛先に「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」を使っても大丈夫とされているケースは次の場合です。
- 推薦状や人物証明書(レファレンス)
- 会社に対する苦情
- 紹介状
- 仕事の応募メール、レター
- 社内配布文書
最近のネット社会では、調べようと思えば担当者の名前は分からなくても、「担当部署」までは調べられることが多いので、宛先を「To Whom It May Concern」や「Dear Sir or Madam」で済ませることは、メールやレターを送る側が担当者を調べるのを怠っているという印象を与えかねないので、使うときには注意が必要です。
「ご担当者様」の英語は「Dear+担当部署名」が正解?
あなたのメールや手紙の内容に応じて、取り扱ってくれる担当部署がわかるときは、「Dear+担当部署名」」という表現が「~部御中」や「ご担当者様」という意味で一般的によく使われています。
よく使われる担当部署と担当マネージャーをいくつかまとめておきますので、ご参考にしてみてください。
カスタマーサポート | Customer Support |
カスタマーサービス | Customer Service |
人事窓口 | HR contact |
人事マネージャー | HR Manager |
採用マネージャー | Recruiting Manager |
営業部 | Sales Department |
営業マネージャー | Sales Manager |
広報部 | PR Department |
広報マネージャー | PR Manager |
例
Dear Customer Support, | カスタマーサポート御中 |
Dear Customer Service, | カスタマーサービス御中 |
Dear HR Contact, | 人事ご担当者様 |
Dear HR Manager, | 人事部長様 |
Dear Recruiting Manager, | 採用担当責任者様 |
Dear Sales Department, | 営業部御中 |
Dear Sales Manager, | 営業担当責任者様 |
Dear PR Department, | 広報部御中 |
Dear PR Manager, | 広報担当責任者様 |
英語のメールや手紙では、「~部」の「部」は省略されて、「ご担当者様」「~部御中」という意味で使われることもよくあります。
例
Dear Finance, ⇒ 経理部御中/経理担当者様
Dear Help Dest, ⇒ ヘルプデスク御中/ヘルプデスク担当者様
Dear HR, ⇒ 人事部御中/人事担当者様
「担当者を教えてください」を英語で丁寧さ順に
使うのはこれ!
Do you know who I should contact regarding this matter?
(ドゥ ユー ノウ フー アイ シュッド コンタクト リガーディング ジス マター)
May I have the name of the contact person?
(メイ アイ ハブ ザ ネイム オブ ザ コンタクト パーソン)
Could you please let me know who is in charge?
(クッ ジュー プリーズ レット ミー ノウ フー イズ イン チャージ)
I would appreciate it if you could let me know who is in charge.
(アイ ウッド アプリーシエイトゥ イット イフ ユー クッド レット ミー ノウ フー イズ イン チャージ)
It is much appreciated if you could let me know the name of the contact person.
(イット イズ マッチ アプリーシエイテッド イフ ユー クッド レット ミー ノウ ザ ネイム オブ ザ コンタクト パーソン)
上から下にいくにしたがって、より丁寧な表現になります。
「Do you know who I should contact regarding this matter?」(ドゥ ユー ノウ フー アイ シュッド コンタクト リガーディング ジス マター)は、直訳すると、「この件に関して(regarding this matter)」「私は(I)」「誰に(who)」「連絡する(contact)」「べきですか(should)」「知ってますか(Do you know)」という意味になります。
英会話では使えるかもしれませんが、かなりつっけんどんな表現なので、あまりおすすめはできない表現です。ただ、このような聞き方もあるということを覚えていただく意味でご紹介しています。
「May I have the name of the contact person?」(メイ アイ ハブ ザ ネイム オブ ザ コンタクト パーソン)は、直訳すると、「担当者の名前(the name of the contact person)」「をいただけますか(May I have)」という意味になります。
「May I have~?」を使った表現は、相手に「いただけますか?」と許可をもらう表現なので、丁寧さは「中」ぐらいの、比較的丁寧な表現になります。
そのほかの表現についての解説は以下のとおりです。
「担当者」を英語でいうと?
「the person in charge」
(ザ パーソン イン チャージ)
「the contact person」
(ザ コンタクト パーソン)
「担当者」にあたる英語は「the person in charge」(ザ パーソン イン チャージ)または「the contact person」(ザ コンタクト パーソン)になります。
「in charge」(イン チャージ)の「charge」は、「責任」「義務」という意味の名詞です。
「charge」の前に前置詞「in」がついて「in charge」になると、「担当している」という意味の形容詞句になります。
形容詞句なので、修飾する名詞のあとにきます。
「the person in charge」は、直訳すると、「担当している人」という意味になりますが、ニュアンスとしては「charge」の意味に少しひっぱられるので「担当責任者」という感じになります。
「contact」(コンタクト)は、「接触する」という意味の自動詞、「~に連絡する」という意味の他動詞のほかに、「窓口」「問い合わせ先」という意味の名詞があります。
「contact」のうしろに、「人」という意味の「person」(パーソン)をつけて「contact person」になると、「連絡窓口の人」というニュアンスで「担当者」という意味で使われます。
同じ「担当者」という英単語でも、「the person in charge」はどちらかというと「責任者」のニュアンスが強く、「the contact person」は「連絡窓口になっている人」という意味で使われます。
「教えてください」を英語でいうと?
「let me know」
(レット ミー ノウ)
「教えてください」にあたる英語は「let me know」(レット ミー ノウ)です。
「let」は使役動詞といって、うしろに「人(me)」「動詞の原形(know)」をとって、「人に~(動詞)させる」という意味になります。
「let」の「させる」という意味は、「無理やり」または「強制して」「させる」という意味ではなく、「人」がしたいと思っていることを「させてあげる」という意味になります。
「let me know」は、「私が知りたいと思っている」ことを、知らせて上げるという意味で「私に知らせる」という意味でとても使われます。
「~してください」と相手にお願いする英語表現は?
Could you please~?
(クッ ジュー プリーズ)
I would appreciate it if you could~
(アイ ウッド アプリーシエイトゥ イット イフ ユー クッド)
I would be grateful if you could~
(アイ ウッド ビー グレイトフル イフ ユー クッド)
It is much appreciated if you could~
(イット イズ マッチ アプリーシエイテッド イフ ユー クッド)
「It is much appreciated if you could~」以外のお願いするときの表現については、こちらの記事で解説しています。
「It is much appreciated if you could~」(イット イズ マッチ アプリーシエイテッド イフ ユー クッド)は、「I would appreciate it if you could~」の受動態(受け身)の表現になります。
「It is much appreciated if you could~」は、直訳すると、「あなたに~していただけると(if you could~)」「そのことは感謝されます(it is much appreciated)」という意味になります。
「It is much appreciated」は、「I(We) would appreciate it」と同じく、「幸いです」という意味でとてもよく使われます。
主語に「I」や「We」などの「人」を使わないことから、よりビジネスライクな文章になります。
以上、少しでもご参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
今後、取り上げて欲しい表現等がありましたら、お問合せフォームからぜひお送りくださいね。